利益に直結する付帯収入

 まずは黒字経営が軌道に乗りつつあるピーチ・アビエーション。就航から3期目となる2014年3月期に単年度黒字を達成し、5期目の2016年3月期には3期連続黒字と累積損失の解消を達成した。

 2012年3月1日に関西空港を拠点として就航したピーチは、着陸料や人件費が高い日本で、なおかつ当時は閑古鳥が鳴いていた関空から発着するため、黒字化は難しいとみる人も多かった。

 LCCが圧倒的なシェアを占める東南アジアではなく、社会的コストの高い日本でも成功した理由を、ピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)は、「コストを削るよりも、筋肉質にして機材稼働を高めていった。“なぜ”という問いかけを社員と繰り返した」と話す。

 しかし、コストを抑えるだけで永続的に利益を出すのは難しい。ピーチの運賃を観察していると、セール運賃で安く航空券を売る一方、搭乗前日や繁忙期といった需要が見込める時期は、大手と大差ない運賃で販売している時もある。

 運賃にメリハリをつけるだけでは、安売りの原資を確保する程度。やはり付帯収入でどれだけ稼ぐかという点が、高収益になるか否かの鍵を握る。

 ピーチの場合、売上高に占める付帯収入の比率を、現在の18%程度から、欧米で成功しているLCC並みの25%まで引き上げていく計画だ。岡村淳也財務・法務統括本部長は、「片道4時間以内で機内エンターテインメントもなく、じっと座っていなければならない。こんなビジネスチャンスはない」と話す。「付帯収入が稼げていれば、仮に運航コストと収入がトントンだったとしても、付帯収入分が利益になる」(岡村本部長)。

 2016年3月期に黒字転換を果たした、バニラエアの五島勝也社長も「付帯収入比率の目標は20%だが、今は15%。運賃を安くする分、客単価を高く出来るよう、経営していかなければならない」と、重要性を強調する。

 しかしバニラの場合、手荷物の料金が一定程度運賃に含まれている。また、成田で競合するジェットスター・ジャパンが、機内に持ち込める手荷物の重量を1人7kgとするのに対し、バニラは10kgまでとしているのも、差別化の一つである半面、手荷物の料金で儲けるのは難しくなっている。

 このため、機内食や機内販売の重要性が高いので、就航4年目を迎えるにあたって機内食メニューの見直しなどを進めているという。

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