国内外の航空会社を利用する際、判断基準の一つとなるのが、各社が加盟する航空連合(アライアンス)だろう。
例えば、全日本空輸(ANA)はスターアライアンス、日本航空(JAL)はワンワールドに加盟している。ANAのマイルを貯めていれば、海外の航空会社を選ぶ際、スターアライアンスの加盟社を選んだ方が効率的にマイルを貯めることができたり、ラウンジを利用できたりするというメリットがある。

ANAやJALなど、フルサービス航空会社が加盟するアライアンスは現在3つ。最も歴史の古いのが、ルフトハンザ ドイツ航空やユナイテッド航空など、5社が1997年に立ち上げたスターアライアンスで、ANAは1999年に加盟した。その年に発足したのがワンワールドで、アメリカン航空やブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空など5社でスタート。JALは2007年に加盟した。
残るスカイチームは、エールフランス航空やデルタ航空など4社が2000年に設立。日本での加盟社はなく、アライアンスに属さないスカイマークが2015年1月に破綻した際は、デルタ航空の支援が決まれば将来的な加盟もあるのではと期待されたこともある。
各国の航空会社を束ねる役割を果たしてきたアライアンス。しかしここ数年は、さらに踏み込んだ共同事業を、航空会社が相対で提携したり、アライアンスをまたいで提携したりすることが、珍しくなくなってきた。
かつて、世界の航空各社は自前でネットワークを拡大してきた。その中で90年代後半から生まれた航空アライアンスという取り組みは、世界の航空業界のあり方を大きく変えてきた。全て自前でネットワークを構築せずとも、アライアンスに加盟する航空会社、いわば“仲間”と協業して路線網を広げていく。アライアンスの強さが航空会社の強さとリンクする時代が、数年前まで続いてきた。
だが2010年代以降、航空各社にとってその位置づけが少しずつかわりつつある。曲がり角を迎えた航空アライアンス。ANAやJALは、アライアンスをこの先、どう活用していくのだろうか。そして、アライアンスの将来像は。
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