国際線に比べて見劣りする搭乗率

 かつて沖縄や札幌といった国内の幹線では、ジャンボこと747が主力機材だった。ANAの国内線仕様機であれば565席、JALは546席で、両社が飛ばしていた「747SR-100」や「747-400D」という機材は、日本の国内線のために開発されたジャンボだった。

かつてはジャンボが国内幹線を飛んでいたが、今はもう飛んでいない

 一方、海外の航空会社にとってジャンボと言えば、国際線を飛ばすもの。ANAやJALが、航空業界の通例に従えば国際線に投入すべきジャンボを、国内線でも活用していたのは、ひとえに利用者が多い割に、羽田空港の発着回数が制限されていたためだ。

 現在は羽田の発着枠が増え、幹線の多頻度化が進んだ。例えば羽田~札幌線は、ANAが1日18往復、JALが17往復運航飛ばしており、1社で1時間に3便も飛ばしている時間帯があるほどだ。ジャンボのような550席前後の超大型機を飛ばすより、ほどほどのサイズの機体で便数を増やした方が、利用者側は乗りたい時間帯の便が選べて利便性が高くなる。

 こうした多頻度小型化の流れは、JALでは経営破綻した2010年以降に明確になった。これまで大型機を飛ばしていた時間帯でも、一部を260席クラスの中型機に変更したり、幹線でも160席クラスの小型機を投入したりしている。

 機材を小型化した結果、何が起きたかというと、国内線で有償旅客の搭乗率が上昇したのだ。JALの場合、2011年度の国内線搭乗率は62.7%だったが、2015年度はこれが67.9%に上昇。ANAは2011年度が60.8%で、2015年度は64.1%だった。

 両社とも機材を小型化させることで搭乗率が改善したが、海外を見ると国内線は80%台をコンスタントに出している航空会社もある。85%前後になると、マイルによる特典航空券利用者など、無償客も合わせると満席に近い状態なので、海外勢は販売できる座席数をほぼ売り切っていると言えるだろう。

 搭乗率だけが指標ではないものの、海外勢との差が大きすぎるのであれば、まだ機材が大きすぎるか、便数が多すぎるかのどちらかなのは言うまでもない。日本の場合、これまでの経緯を考えると、小型化の余地がまだまだある。実際、海外で国内線に乗ると、小型機がほぼ満席で飛んでいる。