5月24日夜、全日本空輸(ANA)のボーイング777型機では初の退役機が、羽田空港から売却先の米国へ飛び立った。1996年5月に就航した国内線仕様機で、座席数は405席。ちょうど20年飛んで退役した。


777は大型機で、長胴型となる777-300の国内線仕様であれば約500人が乗れる。ジャンボの愛称で親しまれた747の後継として、国内ではANAと日本航空(JAL)が20年前から導入。両社とも国際線と国内線の主力機材として運航している。
その主力機材の退役が少しずつ始まっている。JALでは2014年に最初の機体が売却されており、両社では離着陸回数が多い機体から運航を外れていく。
両社とも777を投入している欧米の長距離路線は、ANAが777の次世代型となる777Xを2021年度から、JALはエアバスの最新鋭機A350 XWBを2019年度から導入する。777Xが現行機よりやや大きく、A350はほぼ同じサイズとなる。
一方、国内線については777-200の後継として、ANAは世界最多となる83機を発注した787、JALは国際線と同じA350を採用。しかし両社とも500人乗れる777-300については、後継機を入れる気配がない。
なぜ、両社は500人乗りの国内線用機材を導入しないのか。単に日本の人口が減少傾向に向かっているだけではない。そこにはより現実的な問題があるからだ。
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