サポートが強みのエンブラエル

 まずは今回就航したジェイエアのE190とは、どういった飛行機なのだろうか。

 E190はJALグループのリージョナルジェット機では初めて、上級シートを設定。普通席運賃にプラス1000円で利用できる「クラスJ」を15席設け、残り80席が普通席となる。クラスJは1列が1席+2席、普通席が1列2席+2席の配列で、出張ではクラスJの1人席が好まれそうだ。

ジェイエアが導入したE190の機内
ジェイエアが導入したE190の機内
左が上級シートのクラスJ、右が普通席
左が上級シートのクラスJ、右が普通席
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 そして、両クラスに黒い本革シートを導入し、ノートパソコンやスマートフォンの充電に使える電源コンセントを全席に完備(普通席は2席共用)。大手2社では国内線へのコンセント導入が遅れており、JALグループの国内線機材では、E190が初めてとなった。

 2016年度末には、Wi-Fi機器を利用した無料ビデオ番組サービスを開始予定。乗客が手持ちのスマートフォンやタブレット、ノートパソコンなど無線LAN対応機器を使い、ビデオ番組を視聴できるようにする。ジェイエアでは、4月下旬からE170の一部機体でサービスを始めている。

 JALの国内線機材で標準装備となるサービスが詰まったE190。就航1路線目は伊丹~鹿児島線となった。

 鹿児島空港で開かれた就航式典で、JALの植木義晴社長は、「ロードファクター(座席利用率)も高くなってきており、E190の95席がちょうど良いサイズの路線。ビジネス客も多いので、クラスJを好んでいただけるのではないか」と期待感を示した。

 運航するジェイエアの大貫哲也社長は、E190を「次の10年を支える戦略機材」と表現する。「MRJを2021年から導入して、すべて置き換わるのは2028年ごろ。それまで会社を支えるのがE190だ」と大貫社長は話す。

 エンブラエルの機体はジェイエアのほか、鈴与グループのフジドリームエアラインズが導入済み。日本でのカスタマーサポート体制も充実させている。

 E190やE170は「Eジェット」シリーズと呼ばれ、2004年に商業飛行を開始した。世界50カ国70社から1700機以上受注し、1200機を引き渡している。こうした実績から、エンブラエルのアジア太平洋バイス・プレジデント、マーク・ダナキー氏は「機体導入後、航空会社をどうサポートしていくかが重要で、我々の強みだ」と胸を張る。

 リージョナルジェット機市場で、リーダーがどこかと言えばエンブラエルだ。これに対し、MRJは新型エンジン採用によるアドバンテージがあったはずだったが、度重なる開発遅延で劣勢に転じているのは、過去に指摘した通りだ(「劣勢に転じるMRJと真価問われるA380」)。

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