会社の知名度高く、低い路線の認知度

 「アンケート調査で、スカイマークという会社の名前は、大手2社を100%とすると、99%知られている。しかし、羽田~福岡線に対する福岡県民の認知度は69%、羽田~札幌線の北海道民の認知度は61%しかない」

 スカイマークに出資する投資ファンド、インテグラルの代表を務めるスカイマークの佐山展生会長は、今後の成長戦略を描く上で、路線に対する認知度の低さに課題があると指摘する。「いろいろなこともあったので、会社の名前はよく知られている。ところが、スカイマークが飛んでいることが、就航先では知られていない」と嘆く。

スカイマークの佐山展生会長(左)と市江正彦社長(右)。佐山会長は昨夏頃から、タイガースジェットの構想を温めていた
スカイマークの佐山展生会長(左)と市江正彦社長(右)。佐山会長は昨夏頃から、タイガースジェットの構想を温めていた

 1990年代の規制緩和によって誕生した「新規航空会社」と呼ばれる中堅航空会社のうち、スカイマークは最初に誕生した。低価格攻勢や、西久保愼一元社長による独特の戦略と、話題性には事欠かない会社だった。ところが、肝心な就航地はあまり認知されていない。会社の知名度の高さとの落差は問題点でもあり、伸びしろとも言える。

 スカイマーク最大の武器は、なんと言っても羽田空港を発着するのに運賃が安いことだと、私は感じている。2012年から国内線参入が始まったLCC(格安航空会社)が乗り入れる成田空港と比べ、都心に近い羽田は出張にも便利。運賃体系も、基本料金にさまざまなオプションを足していくLCCと比べ、大手と同様のスカイマークは、飛行機に乗ったことがある人であれば、違いを意識せず利用できる。

 出発地から到着地へ運ぶことに徹してコストを抑え、低価格を実現してきたスカイマーク。これに対し、長年地元と密着した取り組みを進めてきた大手は、地域に根付いている。こうした取り組みの差が「航空会社=大手2社」という意識につながり、スカイマークが入り込みにくい要因ではないかと、筆者は考えている。

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