2015年1月に経営破綻したスカイマークが、民事再生手続きを終えて、1カ月が過ぎた。2015年度は提供座席数を前年度比で23%減らしたのに対し、乗客数は10%減に留め、搭乗率は9.5ポイント上回る76.3%だった。
乗客数は2015年12月から前年を上回り始め、3月単月の搭乗率を見ると、3期連続で最高益を更新していた2011年度を含む過去5年間では最高を記録した。一時は客離れが懸念されたものの、割引運賃の体系を見直して分かりやすくするなどの改善で、危機を乗り切った。
民事再生を終えた今年3月、スカイマークは2016年度から2018年度までの中期経営計画を策定。新生スカイマークとして再生を果たし、新たな成長に向かうことをコンセプトとした。安全や整備体制の強化だけではなく、定時性などの運航品質やサービスの向上、社員の満足度向上などを経営テーマに掲げた。
現在の機材は、小型機ボーイング737-800型機(1クラス177席)が26機。今後は予備機や整備中の機材を除いた24機で運航できる体制を作り、稼働率向上で収益性を高めていく。
2015年度の売上高は700億円強、営業利益は原油価格の下落もあり、15億円強となる見通し。これに対し、2018年度には国際線チャーター便の再開などの施策により、売上高800億円超、営業利益70億円超の達成を目標に掲げる。
復活に向け、次の一歩を踏み出したスカイマーク。4月27日からは新たな取り組みとして、特別塗装機を飛ばし始めた。

「タイガースジェット」と名付けられた機体に描かれたデザインは、なんとプロ野球・阪神タイガースのロゴ。客室乗務員がレプリカユニフォームを着用し、機内では“六甲おろし”として知られる『阪神タイガースの歌』を流すなど、機内はタイガース一色になる。
なぜ、スカイマークがタイガースと組んだのか。理由を探った。
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