フルフラットシートをV字配置

 JALが今回シートを更新するのは、ボーイング777-200ER型機。東南アジアやハワイなど国際線の中距離路線を運航している機材だ。JALはこれを11機保有しており、2017年度内に全機の改修を終える。同社の中長距離路線用機材では、新シート導入が最後になった。

 7月にお目見えする新仕様初号機は、羽田~バンコク線に最初に投入され、その後は羽田~シンガポール線、今冬からはホノルル路線へと拡大していく。

 座席数は3クラス236席で、ビジネスクラス「スカイスイートIII」が42席、プレミアムエコノミー「スカイプレミアム」が40席、エコノミー「スカイワイダー」が154席。現行の3クラス仕様機の245席と比べると総座席数は9席少なく、ビジネスを14席減らした一方で、エコノミーを5席増やした。

 このうち、ビジネスクラスでは国内の航空会社で初となる、フルフラットシートをV字型に斜めに配置する「ヘリンボーン配列」を採用。全席が通路にアクセスできるのがメリットだ。

国内航空会社では初めてとなる「ヘリンボーン配列」がこれだ

 日本でフルフラットシートのビジネスクラスと言えば、ANAが2010年4月から導入した、スタッガード配列が一般的。JALが2013年1月に就航させた、長距離国際線用ボーイング777-300ER型機の新仕様機「スカイスイート777」も、スタッガード配列だ。

 スタッガード配列は、隣り合う座席の間にテーブルがあるため、エコノミークラスのように隣同士で話をするには不便だ。このテーブル部分は、自分が座る後ろの席の人がシートをベッド状態にした際、足を入れるスペース。縦一列を見た場合、互い違いにシートが配されているのはこのためだ。

これまでJALが導入してきたスタッガード配列のビジネスクラス。個室感覚はあるが、隣の席の人と会話をするにはやや不便だ

 一方、ヘリンボーン配列は、「ニシンの骨」の名の通り、魚の骨のような形をしており、左右の席が足もとで交差する。スタッガード配列と大きく異なるのは、個室感よりも、隣席の人と比較的会話しやすくなっている。

 日本ではJALが初めて取り入れたヘリンボーン配列だが、欧米では導入する航空会社が多い。例えばルフトハンザ ドイツ航空では、2012年から導入した新シートがヘリンボーン配列だ。ただし同じルフトハンザグループでも、オーストリア航空はスタッガード配列を採用している。

 スタッガード配列とヘリンボーン配列はそれぞれの利点と不便さがある。一長一短なため、乗客のニーズや飛行時間、さらには国民性なども考えながら、どちらが好まれるかのを見極め、航空会社は選択している。