グループ展開の強み生かすジェットスター

 苦戦が続く春秋航空日本を除いた3社のうち、唯一海外LCCのグループとして展開するのがジェットスター・ジャパンだ。

ジェットスター・ジャパンもようやく攻めに転じる態勢が整った
ジェットスター・ジャパンもようやく攻めに転じる態勢が整った

 2012年7月の就航当初はトラブルが続出。親会社の豪カンタスグループや日本航空(JAL)からは幾度となく増資を受けてきたが、片岡優会長は「関空の第2拠点化後に機材稼働率が改善したことで、業績も持ち直してきた」と話す。

 ジェットスター・ジャパンは、当初計画の2012年10月から大幅に遅れて2014年6月12日に関空を第2拠点化。2015年2月28日には、初の国際線となる関空~香港線を開設した。

 現在は成田と関空を拠点に、20機のA320(1クラス180席)で国際線5路線、国内線16路線を運航している。今回達成した黒字を通期でも実現できるかが直近の課題だ。

 では、ピーチやバニラのように、台北などの海外に拠点を置くのだろうか。ジェットスター・ジャパンのジェリー・ターナーCEOは、「グループとして台北にも就航しており、我々(ジェットスター・ジャパン)が拠点化する必要はない」と語っている。国内LCCのように自前で海外拠点を置くまでもなく、グループで展開するメリットを最大限活用するという。

 こうしたスケールメリットの生かし方は、路線展開だけではない。関空拠点化が遅れ機材がだぶついた時も、一部の機材は調達時期をずらし、その機材をグループ内で融通していた。タレントを起用したテレビCMもジェットスター・ジャパン単体のマーケティングではなく、グループとして知名度向上を図るために流しているものだ。

 今後は「A320で飛ばせる範囲で路線展開する」とターナーCEOは明言する。3月からは国内LCCとして初めてマニラへ就航。15日の成田を皮切りに、4月1日に中部(セントレア)から、同月7日には関西から乗り入れを開始する。

 マニラ路線もA320で運航する。北米やハワイといったA320では飛べないエリアにはグループが就航しているため、あえてジェットスター・ジャパンが日本から飛ばす必要はないと考えている。

 既に通期黒字化を達成したピーチと、通期黒字化が視野に入るバニラエアやジェットスター・ジャパン。就航から5年目に入り、ようやくLCCは市場として成立してきた感があるが、国が描くさらなる市場拡大には、まだまだ乗り越えなければならない課題もある。

 航空運賃を引き下げて航空需要を喚起していくには、空港の意識変化がまだ追いついていない。航空会社の努力だけに頼るのは限界がある。空港やそこへつながる鉄道やバスの運行時間見直しなど、全体的な構造見直しに力を入れる時期を迎えている。