中国経済の成長減速が懸念される中でも、訪日需要は好調な状態を維持している。

 日本政府観光局(JNTO)の2015年12月推計値によると、中国からの訪日客は前年同月比82.7%増の34万7100人と、伸び率では訪日客数全体の43.4%増を大きく上回った。

 「爆買い」に代表されるように、中国人訪日客は日本経済への影響力が大きい。2016年は彼らの訪日需要が、経済情勢の変化によって、どの程度影響を受けるかが気になるところだ。

茨城空港に駐機する春秋航空。昨年にはビックカメラとの提携が話題を集めた(撮影:吉川 忠行、ほかも同じ)

 こうした中でも、中国最大のLCC(格安航空会社)春秋航空は、関西国際空港や中部国際空港(セントレア)を中心に、中国本土の内陸部などから新路線を開設している。そして2015年12月には、家電量販店大手のビックカメラと提携し、同社が春秋グループの日本法人「春秋航空日本」に10億円の出資を決めるなど、訪日需要取り込みを巡る動きは活発だ。

 「日本の皆さんが知らないような街から飛ばしますよ」と話すのは春秋航空の幹部。確かに、東シナ海沿岸の港湾都市「寧波(ニンポー)」のように、日本では知名度が低い都市からも日本へ路線を開設している。春秋航空は、自国の旅行者を日本へ送客するビジネスが中心。日本からの訪中需要はそこまで狙っていない。実際、春秋航空乗客は8割が中国人の団体客だ。

 こうした動きは、地方空港を活用していく上でもう少し注目されても良いはずだ。例えば首都圏では、羽田空港や成田空港の場合、航空会社は新路線の開設や増便をしようにも、発着枠が足かせとなり、思うように路線や便数を増やすことができない。しかし、少し足を伸ばせば、国際線が就航している空港がある。それが、2010年3月に開港した茨城空港だ。

 茨城空港は、航空自衛隊の百里基地との共用空港。国内線で就航しているのはスカイマークだけだが、国際線では春秋航空が上海線を、中国南方航空の深セン線を飛ばしている。さらに今年1月30日からは中国国際航空が杭州線を開設。さらに3月15日には台湾のLCC、Vエアが台北から就航する。

 「我々が経営破綻した時、親身に対応してくれたのが茨城空港だった」と、スカイマーク幹部は1年前の状況を振り返る。空港のお膝元である茨城県としても、唯一の国内線を飛ばすスカイマークが撤退するとなればダメージは大きい。

 もちろん、自衛隊と共用する以上、自由な運航スケジュールを組みにくいというハンデはある。そんな中でもなぜ茨城空港には、続々と中国系航空会社が就航をするのか。理由を探った。