「仲間内」でも温度差

 航空会社間の提携を見ると、利用者に関わりのある分野は大きく5つに分類できる。インターライン、マイル提携、コードシェア、アライアンス、共同事業(ジョイントベンチャー)で、共同事業が最も関係が深い。

 インターラインとは、2社以上の航空会社間で交わされるもので、提携先の航空券を自社の便名に変えずに発券出来る仕組みだ。複数の航空会社にまたがる予約が一度に出来る。

 マイル提携やコードシェアは、アライアンスが異なる会社間でも締結している。例えば、ワンワールドに加盟するJALは、スカイチームに属するエールフランス航空と、アライアンス制度が誕生する前から提携関係を結んでいる。アライアンスは異なっていても、現在もマイル提携やコードシェアを実施している。中東勢を見ても、アライアンス非加盟のエミレーツ航空はJALと、エティハド航空はANAと、コードシェアやマイルで提携している。

 つまり航空会社同士の関係によって、必ずしもアライアンスの枠に縛られずに提携関係が結ばれるケースも珍しくはない。

 ただ、こうした個々の分野での提携を進めてアライアンスに加盟すると、サービスのレベルを会社間で合わせるなど、より踏み込んだ連携になる。

 例えば、歴史が浅い航空会社がスターアライアンスに加盟する場合、近い地域の航空会社がアドバイスを与え、機内や空港でのサービスを一定レベルに引き上げていく。アライアンスに加盟することで、他社とサービスの水準をそろえるために、内容が見直されるものもある。利用者によっては、「アライアンス加盟によって、以前よりもサービスが落ちた」と感じることも、まれにある。

 提携の中でも、最も関係が深いのが共同事業だ。独占禁止法の適用除外が国から認可されると、共同運賃や乗り継ぎしやすい運航スケジュール、共同マーケティングなど、あたかも一社で運航しているかのようなビジネスが展開できるようになる。

 ANAの場合、北米路線ではユナイテッド航空と、欧州ではルフトハンザグループと共同事業を展開している。JALは、北米はアメリカン航空と、欧州はブリティッシュ・エアウェイズとフィンエアーの2社と提携している。いずれも、同一アライアンス内で提携を強化した取り組みである。

 こうなると同じアライアンス内でも、単にアライアンスの仲間であるという航空会社同士と、共同事業を締結している航空会社同士では、その関係の深さに温度差が生じてくる。