親子イルカを描いたターボプロップ(プロペラ)機1機で運航する航空会社がある。九州の天草エアラインだ。

 1998年10月に熊本県と天草2市1町(天草市、上天草市、苓北町)、民間が出資する第三セクタ-として設立され、2000年3月23日に天草~福岡線、熊本線の2路線から運航を始めた。現在はこれらに熊本~伊丹線(2010年12月15日就航)を加えた3路線を運航しているが、機材更新のため2月19日までは天草~福岡線のみの運航になっている。

天草空港で天草エアラインの客室乗務員に出迎えられる2代目みぞか号ATR42-600
(撮影:吉川 忠行、ほかも同じ)

 今回の機材更新によって、16年ぶりの新造機が2月20日から就航する予定だ。就航当初から使用しているカナダのボンバルディアQ100(DHC-8-Q100)型機が老朽化したためで、仏ATRのATR42-600型機が導入される。仏エアバスと伊アレニア・アエルマッキの共同事業体として設立されたATR社の機体が日本で導入されるのは初めてだ。

 天草エアラインが運航するたった1機の機体は、「みぞか号」と呼ばれている。「かわいい」を意味する天草の方言「みぞか」から名付けられたもので、イルカウォッチングが観光資源である天草にマッチしたデザインで、愛らしい姿は地元の親子連れにも人気がある。

左右のエンジンには子供のイルカが。左がはるちゃん、右がかいくんだ
天草空港に並ぶ初代みぞか号(左)と2代目

 2代目みぞか号となるATR42も、機体デザインは初代の親子イルカを踏襲。左エンジンは「はるちゃん」、右は「かいくん」と名付けられた子供のイルカが描かれている。今年1月7日、地元・天草空港に到着した。

 1機で運航していることから、みぞか号に大掛かりな整備(重整備)が生じる期間は、天草エアラインの全便を欠航しなくてはならない。2代目の就航と同時に初代は退役するため、今後も1機体制で運航していく。

 天草エアラインのように、全便が欠航になるほどではないにせよ、地方の小さな航空会社には、大手のような余裕はない。しかし今回、天草エアラインが導入するATR42では新たな試みが始まっている。鹿児島空港を拠点とする、日本航空(JAL)グループの日本エアコミューター(JAC)との連携だ。

 ユーモラスな機体やアットホームなサービスでファンを生む天草エアラインは、九州域内で地域路線を運航する航空会社同士が連携することで、どのような道を進んでいくのか。