そこで、5年以上ヤマグチで購入が途絶えていた、かつてのお客さんに、エアコンの調子を訪問営業担当者が聞いて回ることにしたのです。結果は大成功。「ちょうどよかった」と買ってくれる人が続々と現れたのです。

 もちろん、値引きはしないので、粗利益率は40%以上。機種によっては、1台で9万円以上の粗利益額を確保できることもあります。家電量販店では、1台6万~8万円でエアコンを売っているケースがあると思いますが、その売価を粗利益額が上回っているわけですからびっくりしませんか。

「一度見たデータも再度細部を確認することが新たな商機につながる」と話す山口社長

洗濯機にも販売戦略を横展開へ

 実はエアコンだけでなく、洗濯機に関しても、かつてのお客さんから「最近、洗濯機の調子が良くないから、久しぶりにヤマグチさんで購入できないかしら」といった問い合わせが来るようになっています。これも大チャンスです。先ほどの新規購入客数実績表を見てもらうとよく分かる通り、小物などのその他を除くと、エアコンの次に多いのが洗濯機だからです。つまり、洗濯機もかつてもお客さんの買い替えニーズが高まっている可能性が高いわけです。

 このように、販売データをお客さんからの生の声(情報)を組み合わせると、新しいニーズが見えてくることがあります。一度、傾向を見つけてもそれで安心せず、絶えず変化がないかどうか探し続けることが大切です。

(構成:久保俊介、編集:日経トップリーダー

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