今年の春から本格的にスタートしました。参加料が無料ということもあって、お客さんからの人気が高く、毎回30人の定員がほとんど埋まります。ヤマグチのお客さんは高齢の方が多く、普段からラジオなどで落語を聞くのが好きな人が多い。だから、興味があってよく足を運んでくれるのです。

 落語会を皮切りに、最近はお客さんが講師役となる折り紙教室なども開催。1~2週間に1回はイベントを開くようになりました。

「一見コストになりそうなことでも知恵を絞れば収益化できる」と話す山口社長

2階に上がる前に店を見てもらう

 参加料が無料でも、ヤマグチにとってプラスになります。通常、買いたいものが決まっていない状態で、街の電器屋さんにふらりと立ち寄るのは、なかなか心理的なハードルが高い。そんなとき、店内でイベントを開けば、それを目当てに店に来てもらいやすくなります。

 シマぴょんの部屋は2階の奥にあるので、イベントに参加する際、自然と1階のお店の中を通ります。すると、イベントに参加するついでに店内を見てくれたり、店員との何気ない会話がきっかけとなったりして、家電の購入に結びつく可能性が高まるのです。

 一見、マイナスに思える事象でも、知恵を絞ってプラスに変える。中小企業経営者にはこうしたしたたかさも必要だと思います。

(構成:久保俊介、編集:日経トップリーダー

値引きしないで稼げる売り方を伝授

日経BP社は、山口勉社長の著書『「脱・値引き」営業』を発刊しました。周囲を大手家電量販店に囲まれたり、店の移転を余儀なくされたりしながら、なぜ20年連続黒字を達成できたのか。値引きせずに顧客の心をつかんで商品を売るコツについて、具体的なエピソードを豊富に盛り込んで解説しています。ぜひご活用ください。詳しくはこちらから。