東京の郊外、町田市で“稼ぐ町の電器店”として知られる「でんかのヤマグチ」。山口勉社長は、店の2階にある社員の研修ルームを普段遊ばせておくのはもったいないという考えから、「集客装置」としてフル活用している。なぜ、研修ルームに顧客を呼ぶことができるのか。今回はその極意を解説する。
ヤマグチの2階には研修ルームがあります。うちのマスコットキャラクターである、シマウマの「シマぴょん」にちなんで「シマぴょんの部屋」と名付けました。昨年10月に店を移転オープンした際、このシマぴょんの部屋をつくることに私は特別な思い入れがありました。
というのも、旧店には社員の研修ルームがなかったからです。以前はメーカーの担当者を招いて新商品の勉強会などをする時に、開店前か閉店後に店の中に社員を集めて実施していました。しかし、机も満足にない状態ですから、明らかに集中しづらかった。これでは社員に申し訳ないという気持ちがずっとありました。そこで、新店のオープンに当たっては、研修ルームを必ず設けようと思ったのです。

研修ルームはデッドスペースになる恐れあり
研修ルームは50人くらいを収容できます。ヤマグチの全社員が集まることができるスペースを確保しました。今では会議や勉強会は、シマぴょんの部屋で実施しています。おかげさまで「落ち着いて話を聞いたり、発言したりできる」と社員からも好評です。小さなことではありますが、労働環境を改善してよかったと感じています。
ただ、研修ルームを新設することに全く躊躇がなかったかと言えば、嘘になります。というのも、実はデメリットがあるからです。どういうことかと言えば、何も工夫をしなければ、研修ルームはデッドスペースになってしまうからです。
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