東京の郊外、町田市で“稼ぐ町の電器店”として知られる「でんかのヤマグチ」。実は購買時期と金額によって、顧客サービスに差を付けている。9つに分類する徹底ぶりだ。得意客には手厚いサービスを、そうでない顧客にはそれなりにといった形で違いを持たせる。なぜ、えこひいきをするのか。今回はその真意を解説する。

 庭の植木の水やり、食料品などの買い物代行、家の掃除……。

 ヤマグチでは、家電の販売という「表サービス」だけでなく、お客さんの困り事があると、社員が「トンデ」行って生活のサポートをする「裏サービス」を提供していると以前説明しました。

 しかし、この話をすると「すべてのお客さんに表と裏、両方のサービスを提供しているのですか」とよく聞かれます。答えはノーです。社員の数が40人程度のヤマグチにとって、すべてのお客さんに手厚いサービスを提供するのでは人手が足りなくなってしまいます。

ヤマグチでは購買頻度と累計金額によって顧客を9分類している

 では、どうしているのかというと、お得意さんを絞り込んで手厚いサービスを提供しているのです。既存のお客さんに対して、積極的に対応の仕方を変えていいと私は考えています。実はヤマグチでは、2つの軸によって、お客さんを明確に9つに区分しています。

 1つは購入時期です。直近に購入した時期が1年未満、1年以上~3年未満、3年以上~4年未満の3種類です。1~3という呼び方をします。2つ目は累計購入金額。100万円以上、30万円以上~100万円未満、30万円未満の3ランク。A~Cと呼んでいます。

 つまり、お客さんのランクをA1~C3まで9つに分けているのです。中にはヤマグチから最近足が遠ざかり、C3より下(ランク外)になるお客さんもいます。既存のお客さんがどのランクに属するかは、最低でも半年に1回は統計を取って変化を見ています。