具体的には下の図のようなイメージです。これは冷蔵庫の在庫管理表です。各品番の丸の数が、在庫総数。各品番の左端にある根を○で囲んである印は、根岸店にある在庫、つまり店の在庫数になります。根がない○は倉庫にある在庫数です。実際に冷蔵庫が売れたら、これらの○を黒く塗りつぶしていきます。星取表は白星が勝ちですが、ヤマグチは黒星が売れたことになるので「勝ち」になります。反対なんですね。

冷蔵庫の在庫管理表。○の数が在庫数を示すため、多いほど在庫が残っていることになる

 星取表化とは、要するに「見える化」です。どの商品をどれだけ仕入れていて、倉庫と店にそれぞれ何台ずつあるのか、何がよく売れていて何が売れ残っているのか――。こうした状況が一目で分かります。ヤマグチでは、在庫表のデータを毎日更新し、本店でチェックするほか、本店から少し離れた場所にある訪問営業の拠点にもFAXで送って社員にチェックしてもらっています。こうすることで、無駄な在庫の確認作業が減ったほか、社員はどの商品を重点的に今日売ったらいいのか意識して営業するようになりました。

インセンティブも「見える化」

 ちなみに、在庫表の右下に2カ所「全キ5,000」と書いているのが気になった人がいるかもしれません。実はこれ、在庫の動きが鈍かったり、あと一息で在庫が一掃できたりする場合、社員に奮起を促すための仕掛けです。全は店舗営業、訪問営業など担当を問わず、全員が対象の略。キはキャッシュの略です。つまり、対象商品を売った社員は1台につき5000円のボーナスを出すというインセンティブのことを指しているのです。こうすると、社員は頑張って工夫して売ってくれるようになります。