中には、「せっかくだから上がって一緒に食べませんか」と言ってくれる人もいました。 訪問営業の社員にとって、玄関先でなく、お客さんの家の中に入ることは、非常に大切です。どの家電がどの部屋に置いてあるのか、ライバル店から新しい商品を買っているかどうか、買い替えが見込める古い家電がないかどうか、といったことが目で見て確認できるからです。しかも、お客さんとしばらく会話をして、新しい情報を得ることもできます。

訪問営業では顧客との接点を絶やさない

ドーナツが22万円分の家電購入につながる

 実際、こんなことがありました。ある訪問営業の社員が80代の男性の自宅に感謝祭の告知を兼ねてドーナツを持っていったところ「ドーナツなんか食べないよ」と言われてしまいました。でも、顔は笑っています。気持ちはうれしいんですね。

 そこから「最近、競馬で勝ち続けていて、運がいいんだよ」といった雑談が始まり、話が盛り上がりました。会話の流れで家の中に入って続きを聞くことになりました。すると「DVDレコーダーの調子が悪い」という話が飛び出し、最終的に新しいレコーダーを購入することが決まったのです。

 しかも、レコーダーに併せてテレビも新しくしたいとのことで、テレビの購入にまでつながりました。購入金額はおよそ22万円。値引きはしていません。この男性は、冗談めかして「高いドーナツになっちゃったな」と話していました。