実際、宮林丈人店長は昨年の大晦日、自ら訪問営業に飛び出しました。60代の女性の家を訪れたのです。レンジフードが売れるのではないかと考えたのです。

 顧客台帳から、このお客さんはレンジフードを買い換えた形跡がなく、相当老朽化が進んでいることが推察できました。年末はだいたいどの家庭でも大掃除をします。もし、レンジフードを掃除していれば、「もうこのレンジフード相当古いな」と感じているかもしれません。そんなタイミングで訪問して、レンジフードを提案すれば、「ちょうどよかった」と購入につながるかもしれないと仮説を立てたのです。

 結果はどうだったかというと、レンジフードは残念ながら売れませんでした。しかし、ここで諦めないのが宮林店長。顧客台帳でエアコンを購入してから7年以上たっていることに目を付け、「エアコンの調子はいかがでしょうか」と水を向けたのです。この提案が大成功。約30万円のエアコンの購入が、その場で決まったのです。もちろん、粗利益率は39.8%以上。店でただお客さんを待っているだけでは、実現しなかったはずの実績を上げました。

昨年10月に移転オープンした新店。お世辞にも立地はよくない
昨年10月に移転オープンした新店。お世辞にも立地はよくない

新店では待たない営業がより重要に

 こうした店舗スタッフによる「待たない営業」は、移転オープン後ますます重要になっています。というのも、以前説明した通り、新店の立地は、最寄りのターミナル駅である町田駅から約5km離れているなど、お世辞にもいいとはいえないからです。

 店舗スタッフがカバーする世帯数は、1人当たり500~700世帯。これは訪問営業部隊が担当する1人当たりの世帯数350~500と同じか、やや多い数字です。お客さんの入りが悪い平日には、店舗スタッフが自らお客さんの家に電話を掛けて訪問の約束を取り付けたり、あえてアポなしでいきなり訪問したりして、積極的に店から出ています。

 昨年10月の新店オープン後、店の売り上げが順調なのは、宮林店長をはじめとする店舗スタッフの頑張りがあるからなのです。

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