東京の郊外、町田市で“稼ぐ町の電器店”として知られる「でんかのヤマグチ」。社員に余計な負荷を掛けたり、士気を下げたりすることなく、上手にコストを減らす方法を考え続けている。常識を疑って少し見方を変えれば、答えは意外に身近なところに隠れているという。その極意について、エピソードを交えて紹介する(前回の記事はこちら)。

 コスト削減はもうやり尽くした。これ以上乾いたぞうきんを絞れない――。

 皆さんの中には、こうした考えを持っている人が多いのではないでしょうか。「簡単にモノが売れず売り上げが伸び悩む時代に利益を出すにはコストを減らすことが不可欠」と考えて、多くの企業が血のにじむような努力を続けています。そうした中、さらにコストを減らすのは容易ではありません。

コスト削減は一歩間違えると社員の士気を下げる

 しかも、コスト削減は進め方を誤ると、社員のモチベーションを下げます。

 コピーは使用済みの用紙の裏面を使う、電気はこまめに消す。こうしたいわゆる「ケチケチ作戦」もコスト意識を高めるためには必要です。しかし、あまり厳しく取り組みすぎると、社員が「コスト削減疲れ」をして、前向きに仕事ができなくなる恐れがあるのです。そうならないようにうまくバランスを取るのが、経営者の腕の見せどころです。

山口社長は店舗を中心に、社員に余計な負荷を掛けずにコストを減らせる方法を考え続けている(写真:菊池一郎)