訪日外国人は「リピーター」が過半数に

 日本政府観光局(JNTO)の推計によると、日本を訪れる外国人の数は今年1~10月の累計で2379万人と、2016年1年間の2403万人に迫っている。2017年1年間では2800万人に達する見通しだ。オリンピックを開く2020年には4000万人に増やすという目標を政府は掲げている。

 オリンピック観戦に来る観光客を含めれば、4000万人の突破は十分にあり得る。その観光客によるインバウンド消費が、消費全体に占める割合は現在以上に重みを増す可能性が高い。

 いかに外国人に長期滞在しておカネを落としてもらうか、そのための仕組みづくりが不可欠だ。

 観光庁がまとめている「訪日外国人の消費動向」の2017年7~9月報告書によると、旅行者1人が旅行中に支出している金額は14万339円。前年同期に比べて9.8%も増えている。

 では、何に使っているか。買い物代が34.2%と最も多く、次いで宿泊費が29.7%、飲食費が21.1%、交通費が11.2%となっている。「娯楽サービス費」は3.3%に過ぎない。

 一方でこの調査では「次回したいこと」も聞いている。「次回したいこと」で「今回したこと」を上回るポイントになったのは、「温泉入浴」(40.0%)や「四季の体感」(27.6%)、「日本の歴史・伝統文化体験」(27.0%)、「自然体験ツアー・農漁村体験」(16.0%)、「舞台鑑賞」(12.9%)など。もちろん、次回も「ショッピング」を楽しみたいという人も多い(42.6%)がより体験型の旅行を求めていることがわかる。いわゆる「モノ消費」から「コト消費」へのニーズだ。

 そう考えると、まだまだ日本には旅行者をひきつけるコンテンツがたくさんある。しかも大都市部ではなく、地方にこそその魅力が散在している。だが、一方で、地方ほどその魅力に気づいておらず、観光コンテンツとして磨かれていないケースが多い。

 「インバウンド消費」というと、百貨店やドラッグストアでの「爆買い」がイメージされがちだ。だが、今や日本を訪れる外国人はリピーターがかなりの数に上っている。観光庁の前述の調査では、初めて日本を訪れた人は43.7%で過半数はリピーターだった。10回目以上という人も8.2%に達する。日本にやってくる外国人は年々「日本通」になってきているのだ。

 そうした旅行者により「日本らしさ」を体験してもらう工夫をしなければ、早晩飽きられてしまう。日本にやってくる理由は「買い物」だけではなくなっているのだ。

 日本の良さをアピールするだけではない。日本が世界から呼び寄せるコンテンツの力も旅行者には魅力だ。東京の博物館で開かれる展覧会の特別展などで、外国人の姿が多く見られるようになった。また、音楽会でも外国人が席を占める。日本に絵を見にやってくる、あるいは音楽を聴きに来るのは、日本が世界からコンテンツを集める力を持っているからだ。日本で開くコンサートももはや日本人のためだけのものではない。

 2020年に向けて、どうやって外国人に国内でおカネを落としてもらうか。真剣に考える時が来ている。

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