株式市場で根強いアベノミクスへの期待

 デフレ脱却を目指すアベノミクスの方向性に期待する声が株式市場では大きいことを物語っている。自民党の完勝が明らかになった10月23日の株式市場は日経平均株価が大きく上昇して始まり2万1600円を超えた。このままプレスで終われば、史上初の15日間連騰という記録になる。

 自民党が完勝を収めたことで、安倍首相の権力基盤はさらに強まることになった。仮に20議席近く減らしていた場合、議席の過半数を維持したとしても、安倍首相の求心力が落ちていた可能性が高かった。それだけに今回の解散総選挙は安倍首相にとって100点満点のできだったと言えるだろう。

 これによって衆議院議員の任期は2021年10月までとなり、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを終えるまで選挙なしで政権運営できる。しかも自民公明で3分の2超という絶対安定多数である。来年秋には自民党総裁選挙があるが、すでに2期6年だった任期は3期9年に延長されており、総裁選で安倍首相が3選されるのも確実な情勢になった。ちょうど衆議院議員の任期満了となる2021年秋までは総裁を続けられることになる。

「経済の好循環」が実感できるようになるかどうかがカギ

 政治が安定することで、オリンピックに向けて経済の好転はよりはっきりしてくることになりそうだ。アベノミクス開始以降、安倍首相が言い続けてきた「経済の好循環」が実感できるようになるかどうかが焦点だ。実際に受け取る給与が増えるようにならなければ、消費の増加にはつながらない。

 不動産価格の底入れや株価の上昇は、消費につながる可能性がある。いわゆる「資産効果」だ。現在の株高が、しばしば言われるように半年後の景気情勢を映している鏡だとすれば、いよいよ来年は、所得増が消費増につながり、それが再び企業収益の増加につながっていくという「経済の好循環」が始まる可能性がある。

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