選挙期間中に演説をする安倍首相。この時期に株価が上がったことは自民党にとって追い風となった。(写真:ロイター/アフロ)

自民党の圧勝はなぜ起こった?

 衆議院議員総選挙は自民党が完勝を収めた。289選挙区のうち217を超す小選挙区で勝利し、66を超えた比例代表で当選者を合わせると283と、解散前の284議席をほぼ確保した。選挙後の追加公認を加えると解散前勢力を上回るのは確実だ(※10月23日午前の原稿執筆時点で、まだ4議席未確定)。

 また、公明党の29議席と合わせると312議席となり、衆議院の全議席の3分の2を超え、参議院で否決された議案の再議決や、憲法改正の発議などが可能な議席を自民公明の与党で確保した。

 森友学園や加計学園問題、相次ぐ閣僚の不祥事など、逆風の中で解散に踏み切った安倍晋三首相は「賭け」に勝った格好になった。当初は最低でも20議席は減らすとみられた自民党の議席が改選前を上回ったのはなぜか。

希望の党失速、背景に「政策のネジレ」

 1つは「反自民」票の受け皿になる政党がなかったこと。解散直前に結党を決めた小池百合子・東京都知事率いる「希望の党」は、政権選択選挙だと位置づけながら、小池氏は立候補せず、首相候補者も明らかにしなかった。民進党の前原誠司代表が打ち出した突然の方針に従って民進党の大半が希望の党に合流するなど、民進党色が強くなったことも清新さを削ぐ結果になった。希望の党から立候補した民進党の前職で落選する候補者も多く出た。選挙前勢力は57だったが前職の当選は30にとどまり、元職9人、新人8人が当選したものの、合計で49議席程度と、大きく勢力が減退する結果になった。