台湾人は7人に1人が訪日、しかし多いのはやはり中国人

 台湾は人口2350万人なので、単純計算すれば7人にひとりが今年に入って日本にやって来た計算になる。もちろん、ビジネスなど日本と台湾を頻繁に往復する人もいるだろうが、観光旅行先として日本が人気であることは間違いない。しかもリピーターが圧倒的に多いのだ。2014年には年間の訪日客数で韓国や中国を抑えてトップになった。

 最近は台湾旅行の宣伝を東京などで大々的に行っているが、台湾から日本への旅行者に比べて台湾を訪れる日本人が少ないことが背景にある。航空会社などにとって双方向からの旅客がいる方が効率的だからだ。

 外交関係が冷え込んでいる韓国からの訪日客も大幅に増えている。地理的に近い九州などへの旅行者、ビジネス客も多い。

 だが、何といっても人数が多いのは中国からの訪日客だ。昨年2015年は499万人と2014年から倍増し、2位の韓国の400万人を抑えてトップに踊り出た。今年はこれまでの実績に昨年の10~12月の訪日客数を加えただけでも620万人になり、断トツでトップの座を守るのは明らかな情勢だ。日本の旅行産業にとって、中国人観光客の重要性が一段と増しているのである。

旅行スタイルに変化、クルーズ船で訪日する中国人

 もっとも、中国人旅行者が急増してきた背景には旅行スタイルが大きく変わっている面もある。大型旅客船によるクルーズで寄港する旅行者が急増しているのだ。こうしたクルーズ船は福岡や長崎などに寄港し、乗船客は昼間は観光地などに出かけるが、夜の宿泊は船の中。港のある観光都市に大型の百貨店などがあるケースは少なく、かといって土産物で「爆買い」の対象になるものもあまりないため、「人数は来ても市内にあまりおカネを落としていかない」(長崎市のタクシー運転手)といったボヤキが聞かれる。

 JNTOのニュースリリースでは9月の概況について「大幅な寄港増が見込まれていたクルーズについては、台風の影響によるキャンセルが重なったものの、中国を中心に70隻以上の寄港があったことが訪日外客数の増加の下支えとなった」と分析している。逆にいえば、9月の中国人観光客の伸びが低かったのは、台風によってクルーズ船の寄港が伸びなかったためとみることも可能だ。

2030年に訪日外国人数6000万人を目指す

 いずれにせよ昨年1973万人だった訪日外国人の総数は、今年は2000万人を大きく超えてくることは間違いない。

 政府は今年3月、「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」(議長・安倍晋三首相)を開いて、訪日外国人数を「2020年に4000万人、2030年に6000万人」に増やす新目標を決めている。それまでは「2020年に2000万人、2030年に3000万人」としていたが、今年の段階で2000万人の突破が確実な情勢になったため、目標を大幅に引き上げた。

 観光立国であるフランスは2015年に8445万人の訪問客を受け入れた実績を持つ。2位は米国の7751万人、3位はスペインの6821万人で、次いで4位にはアジアのトップとして中国の5688万人が続く。2030年までにはこうした国々と肩を並べる観光立国になろうというわけだ。