中国人観光客の「爆買い」は収束へ
中国人観光客による「爆買い」のピークアウトが鮮明になる中で、もうひとつの気になる「変化」が出始めた。爆買いの収束は、百貨店などで免税手続きをする1人当たりの金額、つまり客単価が低下しているためで、訪日中国人客の数は今でも増え続けている。ところが、その人数の増加ピッチに陰りが見え始めたのである。
日本政府観光局(JNTO)が10月19日に発表した9月の訪日外客数は191万8000人と前年同月比19%も増え、9月としては過去最高を記録した。単月としての過去最高は今年7月の229万人で、今年1月からの累計では1797万人と前年の同じ期間に比べて24.1%の大幅増となっている。買い物の金額はともかく、日本にやってくる外国人の数は増え続けているわけだ。

訪日中国人数の伸び率に「急ブレーキ」か?
ところが、同じ9月の統計に気になる数字が現れた。
国別の訪日客数の数字で、中国からの訪日客の前年同期比の伸び率が6.3%増と1ケタ台になったのだ。それでも6%も伸びているのだから問題はないと思われるかもしれない。だが、中国からの訪日客の伸び率は2013年の9月以降、36か月連続で毎月2ケタ以上の伸びが続いてきていたのだ。遂にその記録が途絶えたのである。
中国からの訪日客は1月からの累計で500万人を突破。伸び率は30.5%を記録している。そんな中で、6%増というのは「急ブレーキ」がかかったようにも見えるのだ。もちろん9月単月の特殊事情で、10月以降に再び2ケタの伸びに戻っていく可能性もある。だが、この9月が転換点になって減速が鮮明になることはないのか、注視していく必要がありそうだ。
アジアを中心に訪日客は軒並み増えている。1月からの累計では韓国が371万人と30.2%増、台湾が323万人と16.7%増、香港が134万人と21.3%増えた。
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