首相官邸で記念撮影した第4次安倍改造内閣(写真:AFP/アフロ)

12人初入閣も「閉店セール内閣」との批判

 自民党総裁として3期目を迎えた安倍晋三首相は「経済」が最重点項目だと言いながら、もはや経済では「やりたいこと」がなくなったのではないか。そう思わせるような人事配置になった。

 安倍首相は10月2日に自民党役員人事を行うとともに内閣を改造、12人を初入閣させた。当初の「改造は小規模」という予想を大きく裏切ったものの、話題性の高い人物の入閣はほとんどなく、地味な結果になった。

 野党からは「見飽きた顔と見慣れない顔を集めたインパクトのない布陣。閉店セール内閣で終わりの始まり」(共産党の小池晃書記局長)といった声や、「全然わくわくし内閣」で「古い自民党に戻り、国民の感覚からかけ離れている」(立憲民主党の福山哲郎幹事長)といった厳しい批判が巻き起こった。政権に近い日本維新の会の片山虎之助共同代表ですら、「総裁選の論功行賞や滞貨一掃という感じが拭えない」と論評していた。

 実際、12人の新入閣議員のうち片山さつき参議院議員と山下貴司衆議院議員を除く10人は、当選回数で「入閣待機組」と報じられていた議員。片山議員も女性閣僚候補が少ない中で有力視されていた。予想外の「抜擢」は当選3回ながら法務大臣になった山下貴司衆議院議員くらいだった。

 山下氏は直前の総裁選挙で石破茂氏に投票していた。党内融和を象徴する人事にするため、安倍首相は、大臣枠1つを石破派に与える方針を決めたが、石破派の「待機組」である当選7回の後藤田正純氏や6回の古川禎久氏を外し、最若年の山下氏を入閣させた。

 派閥の領袖として石破氏が力を持つことをけん制する狙いがあったのではないかとみられている。石破氏は、安倍首相が「全員野球内閣」と名付けたことについて、「ものすごく厳しい試合だと思う」と辛口のコメントをし、安倍氏に不満の色をみせた。