経済政策で「対案」を提示できない民進党

 安倍内閣にとっての「好材料」は、アベノミクスに代わる「ポスト・アベノミクス」を明示する勢力が現れていないこと。自民党の支持率が下がっているにもかかわらず、民進党の支持率も下がっているのは、民進党が経済政策で「受け皿」を作れていないことを如実に物語っている。

 民進党の蓮舫執行部では、アベノミクスに対する批判を行うものの、対案らしきものを全く示せていない。蓮舫代表の辞任を受けて、代表選挙を9月1日に行うことになり、枝野幸男氏と前原誠司氏がすでに立候補を表明している。枝野氏、前原氏がどんな経済政策を打ち出すのかによって、ポスト安倍政権の受け皿としての期待感が出てくるかどうかが分かれる。

 蓮舫執行部では、2030年に原発ゼロを目指す方針をいったん目指しながら、党内や支持母体をまとめきれなかった苦い経験がある。枝野氏や前原氏が代表選を通じて、アベノミクスを凌駕する経済政策の体系を打ち出し、党内を一本化できるかどうかが注目される。

「ポスト・アベノミクス」を掲げる勢力は登場するか?

 永田町では、安倍首相が秋の臨時国会を召集した直後に、解散総選挙に打って出るのではないか、といった見方も出ている。民進党の新体制が整う前に、選挙を行った方が有利だ、という判断だ。すでに民進党の中には、秋に選挙がある事を想定して地元に臨戦態勢を指示した議員もいる。

 いずれにせよ、年内に解散がなくとも、来年は総選挙の年である。それまでに「ポスト・アベノミクス」を掲げる「受け皿」が出てくるのかどうか。現状のままでは、消極的選択で安倍内閣が存続し続けるというシナリオになり、民進党は壊滅することになりかねない。