「ふるさと納税」が2017年度も過去最高を更新した。全国自治体のふるさと納税受け入れ額の合計は3653億円と前の年度に比べて1.28倍に増えた。ふるさと納税の使い道を指定できる自治体が増え、地域課題の解決に役立てようという動きが広がりつつある一方、幅広い返礼品を揃えた自治体が多額のふるさと納税を集めるなど、問題点も指摘されている。ふるさと納税総合サイト『ふるさとチョイス』を運営するトラストバンク(東京都目黒区)の須永珠代社長に、ふるさと納税の今後について聞いた。

(聞き手は磯山友幸)

2017年度の1位は135億円を集めた泉佐野市

須永珠代(すなが・たまよ)氏
1973年群馬県伊勢崎市生まれ。大学卒業後は派遣やアルバイトなどで、塾講師、アパレル店員、営業、コールセンター、結婚相談所など、多岐にわたる業種、業態で経験を積む。WEBデザインの専門学校でITスキルを学び、IT関連企業に就職。2012年にトラストバンクを立ち上げた。同年9月、ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」開設。2014年ガバメントクラウドファンディングの専用ページを開設。2016年東京・有楽町駅前に「ふるさとチョイス Café」オープン。

ふるさと納税の受け入れ総額が、またしても過去最高を更新しました。

須永珠代社長(以下、須永):2015年度に制度改正があり、控除額の上限が住民税所得割の1割から2割になりました。これをきっかけに、受け入れ総額が大幅に増えました。2015年度は前の年度の4倍、2016年度は1.7倍、そして今回集計結果が出た2017年度は1.3倍でした。しかし、個人的にはそろそろ成熟期に入っていくのではないかと見ています。1.1倍程度に落ち着き、4000億円から5000億円程度で頭打ちになってくるのではないでしょうか。

ここ数年、納税者が欲しがる返礼品を揃えて、多額のふるさと納税を集める競争のような状態になりました。2017年度も全国の名産品1000種近くを取りそろえた大阪府泉佐野市が135億3300万円を集めて、ダントツの1位になりました。

須永:成熟期に入って重要になるのは、地域の貴重な財源をどう使うか、ふるさと納税で集めたお金をどう活用するかに移ってくると思います。隣の自治体よりも多くの金額を集めれば良い、という時代ではなくなっていくでしょう。