東証(東京証券取引所)と金融庁により、企業統治の指針「コーポレートガバナンス・コード」が策定されて2015年6月から適用になった。東証1部、2部上場企業はコードに同意するか、しない場合はその理由を投資家に説明するよう求められる

大手企業は、社外取締役の導入へ一気に動いた

 日本のコーポレートガバナンス(企業統治)のあり方が急ピッチで変化している。2015年6月、政府の有識者会議の結論を受けて東京証券取引所が制定した「コーポレートガバナンス・コード」では、上場企業の「あるべき姿」が示されたが、これに沿う形で企業が改革を進めているからだ。

 中でも象徴的なのが社外取締役の導入。数年前まで主要な経団連企業などがこぞって反対していたが、コードに「2人以上」の選任が明記されたことで、大手企業は雪崩を打って社外取締役の導入へと動いた。

 コードの「原則4-8」には、「独立社外取締役の有効な活用」として次のように書かれている。

 「独立社外取締役は会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に寄与するように役割・責務を果たすべきであり、上場会社はそのような資質を十分に備えた独立社外取締役を少なくとも2名以上選任すべきである」

 さらにこう続く。

 「また、業種・規模・事業特性・機関設計・会社をとりまく環境等を総合的に勘案して、自主的な判断により、少なくとも3分の1以上の独立社外取締役を選任することが必要と考える上場会社は、上記にかかわらず、そのための取組み方針を開示すべき」

英米では過半数を社外取締役にする例が増加

 つまり、東証が定める独立性の基準をクリアした社外取締役(独立社外取締役)を少なくとも2人置くべきだとしたうえで、企業の自主判断で3分の1以上を社外取締役にしてもよいとしたわけだ。

 実は、ガバナンス・コードを決める有識者会議では、最後まで数値基準を置くことに抵抗する声があった。一方で、複数では不十分で3分の1もしくは過半数とすべきだという主張もあった。その「妥協」の末に出来上がったのがガバナンス・コードの条文だったわけだ。

 社外取締役を置くことに財界や経営者の一部が強く抵抗したのは、取締役会に「部外者」が入ることで、社長ら経営トップの自由度が奪われると考えたからだ。だが、取締役会に社外取締役を置くことは欧米では当たり前で、英米などでは過半数を社外取締役にする例が増えている。