規制改革推進会議で発言する安倍晋三首相(写真:時事)

 政府の規制改革推進会議(大田弘子議長)が5月23日、安倍晋三首相に答申書を提出した。規制改革に取り組む141のメニューを示し、内閣に「実行」を求めている。

 昨年大きな議論になった「生乳の流通自由化」や「農業資材の流通構造の見直し」など農協改革の項目が盛り込まれたほか、労働基準監督署の業務の民間開放や、行政手続きコストの2割削減といった新規項目が加わった。政府はこれを受けて6月にも、改革工程を定めた「規制改革実施計画」を策定、閣議決定する。

 規制改革推進会議は、前身の規制改革会議を引き継いで2016年9月に発足。9月12日の初会合以降、今年の5月23日まで18回に及ぶ会議を開いてきた。また、分野ごとにワーキング・グループ(WG)を設置、「農業WG」(金丸恭文座長)では昨年9月から13回、「人材WG」(安念潤司座長)は昨年10月から12回、「医療・介護・保育WG」(林いづみ座長)同15回、「投資等WG」(原英史座長)も同16回と、精力的に会議をこなした。

 新たなテーマとして取り組んだ行政手続きについては、昨年9月から「行政手続き部会」(高橋滋部会長)を設置、議論してきたほか、労働基準監督業務の民間開放についても、今年3月からタスクフォース(八代尚宏主査)を作って3回にわたって議論した。それぞれのWGや部会にはそれぞれの専門家を委員として委嘱しているが、規制改革推進会議の委員が相互に参加し、リーダーシップを発揮した。特に農業分野は、前身の規制改革会議でも農業改革に旗を振ってきた金丸・フューチャーアーキテクト会長(推進会議議長代理)を座長に、メンバーには大田議長自身も加わって改革を推し進めた。

 昨年までの規制改革会議でも問題になったのは、会議の提言がともすると「言いっ放し」に終わりかねないこと。答申の中でもこんな苦言を呈している。

 「規制の多くは利害対立の構造を内包しており、これが規制所管府省の消極姿勢につながり、改革が遅れる主な要因となっている。改革を進めるためには、様々な立場にある関係者を説得・調整し、その構造を突破していくことが求められ、これはひとえに政治のリーダーシップにかかっている。本答申の内容が最大限実現されるよう、政治のリーダーシップに強く期待するものである」