旧来型の労働組合は変化を迫られる

安倍内閣の悲願だった制度導入

 働き方改革関連法案が今国会で成立、「高度プロフェッショナル(高プロ)」制度が導入される見通しとなった。与党である自民党・公明党と、日本維新の会などの一部野党が「働き方改革関連法案」の修正で合意し衆議院を通過する公算で、参議院でも6月20日の会期末までには可決成立する方向だ。仮に会期を延長しても小幅にとどまるとみられる。

 高プロ制は、年収1075万円以上で専門性の高い「社員」に限って、残業規制などの対象から除外する制度。「時間によらない働き方」の制度導入は、2012年末に第2次安倍晋三内閣が成立して以降の懸案だった。

 当初は、「ホワイトカラー・エグゼンプション」と呼ばれ、経営の幹部候補などを時間規制から除外することを狙ったが、左派系野党が猛反発。対象を高年収の専門職に絞り、「高プロ」として法案をまとめてからも2年以上にわたって審議されず、棚ざらしにされてきた。安倍内閣からすれば「悲願」の制度導入といえる。

 高プロ制はIT(情報通信)技術者やクリエイティブ系の職種など、労働時間と業務成果が比例しない職務につく社員に対して導入される。こうした職種を抱える企業からは、一律、時間で縛る現行制度への不満が長年くすぶってきた。これは働かせる企業側だけでなく、働く社員側にも不合理だとの声があった。

 一方、左派系野党は、年俸だけで際限なく働かせることにつながるとして、「残業代ゼロ法案」「定額働かせ放題プラン」「過労死促進法案」などとレッテルを貼り、徹底的に導入に反対してきた。背景には支持母体である労働組合の根強い反対がある。

 そんな高プロ制が導入に向けて動き出したのは2017年3月末に政府の「働き方改革実現会議」が「働き方改革実行計画」をまとめたのがきっかけ。長時間労働の是正を掲げて、残業に罰則付きで上限を求めることとし、経済界と連合などの間で合意に達した。残業の上限を原則として月45時間とする一方で、どんなに忙しい月でも「100時間未満」とすることとした。

 残業時間については法律で上限が決まっているものの、労使が合意して「36協定(さぶろく協定)」を結べば、実質的に青天井で働かせることができた。そこに法律で歯止めをかけることになったわけで、労働者側からすれば、画期的な規定ということになる。