「定住してくれるなら、外国人でも構わない」

 「技能・人文知識・国際業務」はいわゆる高度人材の外国人で、全国では17.5%増えた。「その他」道府県の伸びが24.1%と上回っているのも目を引く。地方のホテルや旅館、飲食店など人手不足が深刻なサービス業で外国人を雇うのは簡単ではない。いわゆる「単純労働」だという長年の見方によって、外国人が排除されてきた。「技能実習」の対象にならない職種も多い。

 単純労働に外国人を受け入れると日本人の職が奪われる、というのが理由だが、実際にはそうした仕事をやる日本人自体が減っている。旅館の客室係やホテルのメイドなどに外国人を雇えないわけだ。そこで、外国人客の通訳やフロントでの業務ということで、「技能・人文知識・国際業務」の枠組みに入れ、外国人を雇用しているケースが少なくない。

 最近は「留学」の在留資格でやってきてアルバイトで働くケースが急増してきた。留学生は週に28時間までなら働くことが認められている。また、夏休みなど休暇中は週40時間働くことが可能だ。こうした制度を使って、実は出稼ぎが本当の目的なのに留学生資格でやってくる外国人が多い。もっとも、こうした留学生は日本語学校などが多い大都市部に集中しているため、地方での伸びは全国平均よりも低い。

 大都市部のコンビニや外食チェーンなどではこうした「留学生」がいなければ営業ができない状況に追い込まれている。

 地方で人手不足が深刻なのは農業の現場である。地方の自治体などから、外国人労働者をもっと自由に受け入れられるようにしてほしいという要望の声が年々強まっている。かつては地方ほど外国人アレルギーが強いと言われていたが、人口減少が鮮明になるにつれ、「定住してくれるなら、外国人でも構わない」という声が聞かれるようになった。外国人観光客などが増え、外国人を身近に感じるようになったということもあるのだろう。

 安倍晋三首相はこれまで、「いわゆる移民政策は取らない」という方針を掲げてきた。「技能実習生」などの“便法”を使い続けてきたのも、外国人を短期の労働力としてだけ受け入れ、数年で帰ってもらうことが前提になっていた。

 だが、こうした「労働力として」だけの外国人の受け入れは、将来に大きな禍根を残すことになりかねない。いずれ帰国しなければならないと分かっている外国人は日本語も真剣に学ばないし、日本社会に溶け込む努力もしない。また、決められた期限でできるだけお金を稼ごうとするから、犯罪まがいの仕事にも手を染めることになりかねない。

 移民政策は取らないと言いながら、在留外国人は4年で50万人も増えている。なし崩し的に外国人を受け入れているわけだ。不法在留者は4年連続で増え6万6498人に達している。日本が明確な「移民政策」を持たないことが、なし崩し的な外国人流入につながっている。