森友文書改ざん問題で国会審議が空転している(写真:つのだよしお/アフロ)

森友学園問題は「組織ぐるみの不正」

 森友学園への国有地売却問題は、財務省の指示による決裁文書の書き換えが明らかになるという驚愕の展開となった。多くの現役官僚や官僚OBは公文書改ざんについて、異口同音に「考えられない」「あり得ない話」と語る。まさに「一線を越えた不正」である。

 財務省は佐川宣寿理財局長(当時)個人の不正に矮小化しようとしているように見える。だが、改ざん実行までには複数の幹部が関与しているのは明らかで、局長の指示を受けたからといって疑問を挟まずに不正の実行を部下に命令するのは明らかに「組織ぐるみの不正」だ。歴史的に大きな権力を持ち続けてきた財務省、そして財務官僚の目を覆わんばかりの「劣化」である。

 もちろん、背景に政治家の指示があったとか、政治家への「忖度」があったという「理由」があるのかもしれない。だが、それとこれとは別問題。政治家に言われれば、官僚はどんな不正でも行うのか。そんなことはあり得ない。

 組織的な公文書の改ざんは、民主主義の根幹を揺るがす。都合が悪くなったら過去の文書を書き換え、国会で嘘の答弁をする。そんなことを許すわけにはいかない。では、どうやって再発を防ぐか。

 不正を働けば官僚個人も官僚機構も大きな損害を被るのだ、という事を全霞が関に理解させる必要がある。徹底的に問題を追及し、関与した幹部官僚は免職、天下りも許さない。財務省には解体的な出直しを求める。そして何より必要なのが「公務員制度改革」に再び本腰を入れて取り組むことだろう。

 「安倍内閣は役人に優しい内閣ですから」。この問題が発覚する直前、民主党政権で大臣を務めた野党の幹部がこう笑っていた。

 民主党は「脱官僚依存」を公約の1つに掲げ、官僚主導から政治主導へと大きく舵を切ろうとした。ところがやり方が稚拙で、政務三役(大臣、副大臣、大臣政務官)の会議から官僚を「排除」するなど、「脱依存」の意味を履き違えた。結果、霞が関も猛烈に反発、官僚機構が「非協力」を決め込んだ。民主党政権の瓦解は、霞が関の消極的反乱が一因だったと見ることもできる。