実際に、そうした圧力を志賀氏らが加えたのか、それによって決算数字に影響を与えたのか、は今のところ分かっていない。

 問題は、そうした「内部統制の不備」が疑われること自体が、東芝にとって致命傷になることだ。

「特注銘柄」指定期間を延長され、後のない東芝

 東芝は現在、東京証券取引所(東証)から「特設注意市場銘柄(特注銘柄)」に指定されている。内部統制に問題がある企業が改善するまでの間、指定されるポストである。2015年9月に特注銘柄に指定されたが、1年を経た2016年9月に東芝は「内部管理体制確認書」を東証に提出、特注銘柄から「解除」するよう申請していた。

 これに対して、特注指定解除を審査する東証の自主規制法人(理事長、佐藤隆文・元金融庁長官)が2016年12月19日に理事会を開き、特注指定の期間を延長することを決めた。きっかけは、福岡にある東芝の子会社で長年にわたって不正が行われていたことが発覚したためだったが、指定延長からわずか1週間後になって米国原子力事業での巨額損失の可能性が明らかになった。

 東証は指定延長にあたって、「コンプライアンスの徹底や関係会社の管理等において更なる取り組みを必要とする状況が存在しており、これらの改善に向けた取り組みの進捗等について引き続き確認する必要がある」とした。まさに、その懸念が的中したというわけだ。

3月15日までに「内部管理体制」は整うのか

 東証のルールでは「特設注意市場銘柄」指定から1年半たって内部管理体制が改善したと認められない場合は上場廃止になることになっている。3月15日以降に東芝は「内部管理体制確認書」を再度、東証に提出、東証は再びそれを審査することになる。3月15日の段階で東芝株はいったん「監理銘柄」に指定される予定。投資家に上場廃止になる危険性があることを周知するための措置だ。

 2月14日の決算が最大1カ月延期されたことで、決算発表自体が3月14日にずれ込む可能性がある。さらに、米WHで内部統制上の問題が持ち上がったことで、その実態が把握できたとしても3月15日までに「内部管理体制が整った」と言える状態になるのかどうか。