2017年、ベトナムで会談した日中首脳(写真:新華社/アフロ)

 安倍晋三内閣の対中政策に変化の兆しが見えている。第2次安倍内閣が発足した2012年末以降、中国とはやや距離を保ってきたが、ここへ来て中国が主導する「一帯一路」構想への協力姿勢を示すなど、融和姿勢を打ち出し始めた。今後、日中関係は再び蜜月に向かうのだろうか。

 「あそこまで中国に融和的な姿勢を見せるとは予想外だった」と日中関係を見続けてきた外務省OBは語る。昨年末から安倍首相はしきりに現代版シルクロード構想である「一帯一路」に対して「大いに協力できる」といった発言を繰り返していたが、それが国会での施政方針演説に明確に盛り込まれたのだ。

 1月22日の施政方針演説ではこう述べた。

 「この大きな方向性の下で、中国とも協力して、増大するアジアのインフラ需要に応えていきます。日本と中国は、地域の平和と繁栄に大きな責任を持つ、切っても切れない関係にあります。大局的な観点から、安定的に友好関係を発展させることで、国際社会の期待に応えてまいります」

 そのうえで首脳の相互訪問などを具体的に提示した。

 「早期に日中韓サミットを開催し、李克強首相を日本にお迎えします。そして、私が適切な時期に訪中し、習近平国家主席にもできるだけ早期に日本を訪問していただく。ハイレベルな往来を深めることで、日中関係を新たな段階へと押し上げてまいります」

 2018年は日中平和友好条約締結40周年に当たる節目の年だということもある。だが一方で、安倍内閣が進めてきた外交戦略が最終段階に入ったことを示していると言える。

 どういうことか。

 中国との友好関係の発展の前提となる「大きな方向性」がほぼ完成してきたということだ。