カジノを解禁する「統合リゾート法案」も議員立法で成立

 つまり、野党が対案を出し、それに与党が乗って修正作業を経ることで、法律を成立させるような例が出てきたのだ。前臨時国会で成立したカジノを解禁する「統合リゾート法案」も議員立法で成立した法律だ。

 1日の万年野党の総会には「三ツ星」に選ばれた議員が表彰式に集まったが、そのうちの長妻昭、井坂信彦、東徹、浅田均、木下智彦の各議員が残り、パネルディスカッションを行った。ジャーナリストの田原総一朗氏の司会で、オリックスのシニアチェアマンである宮内義彦氏と作家で元経済企画庁長官の堺屋太一氏も議論に加わった。

2月1日に開催された「万年野党」の総会には、「三ツ星」に選ばれた議員のうち、長妻昭、井坂信彦、東徹、浅田均、木下智彦の各議員が残り、パネルディスカッションを行った。ジャーナリストの田原総一朗氏の司会で、オリックスのシニアチェアマンである宮内義彦氏や、作家で元経済企画庁長官の堺屋太一氏も議論に加わった。
2月1日に開催された「万年野党」の総会には、「三ツ星」に選ばれた議員のうち、長妻昭、井坂信彦、東徹、浅田均、木下智彦の各議員が残り、パネルディスカッションを行った。ジャーナリストの田原総一朗氏の司会で、オリックスのシニアチェアマンである宮内義彦氏や、作家で元経済企画庁長官の堺屋太一氏も議論に加わった。
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自民党とは明確に違いが分かる政策、ビジョンを打ち出すべきだ

 米国のトランプ大統領の評価などから議論を始めたが、田原氏の関心事はもっぱら「なぜ野党は安倍内閣に4回も連続で選挙に負けるのか」というもの。堺屋氏からも「ひと言で言って野党が不甲斐ない」といった厳しい指摘が出た。

 宮内氏からは「野党が対抗軸を作れていないのではないか」という指摘があった。自民党政治の延長線上で争っていては、自民党が優位になるのは当たり前、自民党とは明確に違いが分かる政策、ビジョンを打ち出すべきだ、というわけだ。また、民進党の支持母体である連合は、労働者の17%しか代表していない正社員の既得権を守る存在で、民進党が改革政党になりきれない一因だという指摘もあった。

健全な「対抗軸」は絶対に必要

 これに対して民進党の長妻氏は「自民党との体質の違いを徐々に国民に分かってもらえるよう訴えていく」といった発言が出ていた。維新の浅田氏は「決して対抗軸が作れていないとは思っていない」と発言していた。議員立法によって対案を積極的に出すことで、自民党とは違った政策を担う政党としての存在感を示そうとしていることが背景にあるのは明らかだったが、田原氏からは「維新は(野党なのか与党なのか)立ち位置がはっきりしない」という指摘が出ていた。

 安倍内閣は政権発足から4年を過ぎたが、依然として高い内閣支持率を保っている。国民の目からみれば、政権交代を託せる信頼感のある「野党」が出てきていないということだろう。かといって政権が長期化すれば、いずれ「緩み」や「腐敗」が生じることになりかねない。健全な「対抗軸」が必要であることは間違いない。果たして日本の野党はどうやって対抗軸を打ち立てていくことになるのだろうか。

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