一方、参議院では大きな変化が起きた。議員立法を提案するには衆議院で20人、参議院で10人の「賛成者」が必要になる。7月の参議院選挙を経て12人の勢力を確保した日本維新の会が、「100本の議員立法を出す」方針を決めた。実際、臨時国会の会期中に101本の議員立法を提出し、11人の議員がのべ203回の提案を行う形となった。この結果、参議院の議員立法はのべ235回となり、190国会ののべ67回から急増した。
質問主意書については、民進党議員の提出が目立った
質問主意書は、衆議院、参議院ともに民進党議員の提出が目立ったが、共産や維新など、その他の野党の提出がほとんどなかった。参議院で積極的に議員立法を提案した維新も、質問主意書は活用しなかった。自民党や公明党は、政権与党であるとの立場から、政府に対する質問である質問主意書の提出は行わないことを申し合わせている。
議員立法を出しまくった維新の行動には批判も
議員立法を出しまくった維新の行動には批判もある。通る見込みのない立法を提案するのは無駄だ、というものだ。だが、数年前まで国会に出される法案の大半は「閣法」と呼ばれる内閣提出の法案ばかりで、議員立法の提案は極めてまれだった。内閣提出といっても閣僚が法案を作るわけではなく、霞が関の官僚たちが作るわけで、国会議員はそれにお墨付きを与えるだけの存在になっていた。
議員立法を提案するには国会議員自身が政策を勉強し、立法手続きに通じる必要がある。国会議員数名の連名で提案することが多いが、それを審議するかどうかは議院運営委員会で各党折衝の中で決めるため、野党提案の法案は棚ざらしにされる傾向が強い。それでも、野党の政策立案能力を高めることにつながるとみられる。
議員立法が増えたここ数年での変化は、委員長提案による法律案が可決されるケースが出て来ていること。与野党の立法提案を歩み寄らせたうえで、委員長が提案する形を取る。これも議員立法に分類される。
Powered by リゾーム?