経済3団体の対応も焦点となる(写真=つのだよしお/アフロ)

5年連続のベアは確実な情勢

 安倍晋三内閣が経済界に求めている「3%の賃上げ」が実現できるかどうかに関心が集まっている。

 アベノミクスによる企業業績の回復を背景に、安倍首相が「経済好循環」を掲げて経済界に賃上げを求めたのが2014年。それ以来、春闘では4年連続のベースアップ(ベア)が実現した。2018年の春闘でも5年連続のベアは確実な情勢だ。こうした流れの中で連合の神津里季生会長が「4%程度の賃上げ」を求めるなど、“官製春闘”による賃上げムードが広がっている。果たして安倍首相が掲げる「3%の賃上げ」は達成できるのか。

 新聞報道によるとトヨタ自動車労働組合は、2018年の春季労使交渉でベアに相当する賃金改善分として3000円を要求する執行部案を職場に提案した。

 前年2017年の春闘ではベアは1300円にとどまったが、家族手当の制度移行の前倒し分として1100円を回答、定期昇給分と合わせた賃上げ率は2.7%だった。つまり、今年の焦点は、前年を上回る回答をトヨタの経営側が出し、賃上げ率が3%に達するかどうか、に移っている。

 電機各社の労働組合で構成する電機連合も2018年の春闘の方針を決める中央委員会で、ベアに相当する賃金改善について3000円以上を統一要求とすることを決めた。ベア要求は5年連続で、3000円以上としたのは3年連続。2017年の春闘での妥結額は1000円だったが、これをどれだけ上積みできるかに注目が集まっている。

 3%の賃上げに積極姿勢を見せる企業も少なくない。シャープは記者会見した野村勝明副社長が3%の賃上げ要請について「足元の業績でいえば前向きに考えないといけない」と語り、検討する姿勢を見せた。また、アサヒグループホールディングスの小路明善社長は年明け早々に、「約3%の賃上げを見込んでいる」ことを明らかにし、労使交渉が始まる前から賃上げに意欲を示した。

 経団連も、今年の春闘の経営側の指針となる「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」を発表。安倍首相が要請する3%の賃上げについて、「社会的な期待を意識しながら前向きな検討が望まれる」との表現で、異例の賃上げを求めた。