世界の市場が動揺して、日本円が再び安全通貨として着目されている。これまでの円安基調が円高へと転換する可能性が出てきている。そんな中で、低価格だけが狙いの観光客は減っていく可能性がある。

円高でも呼び込める「ファン」を作れ

 この3年で日本を訪れた3300万人の人たちは、日本にとって大きな財産である。彼らが日本の素晴らしさを知り、リピーターになってくれれば、今の2000万人という数字が一過性のものではなく、基礎票になっていく。多少円高で価格が上昇しても、リピーターを呼び込むことができるのだ。

 そのためには、日本の良さをまだまだ磨かなければいけない。外国人観光客目線で観光資源を見直せば、まだまだ宝は埋もれている。築地の魚市場のセリが典型だろう。日本人にとっては社会科見学の定番コースに過ぎなかったが、外国人観光客にとっては是非とも訪ねたい日本の観光地になった。

 訪日外国人というと中国人などアジアの国々からの観光客が目立つが、増えているのは決してアジアからだけではない。2015年は20の国・地域のうちロシア以外の19からの旅行者が過去最高を記録している。米国からの訪日客も初めて年間100万人を突破した。

 3000万人という目標も決して高すぎるものではない。観光や国際会議などで人が集まるフランスは、年間8000万人が訪れている。日本では国際会議などはまだまだ少ない。アジアでもタイへは2014年に2470万人近い人が訪れた。マレーシアは2740万人、香港は2770万人である。中国の5500万人に追いつくのは容易ではないが、前述のアジア3カ国は射程に入っている。

 リピーターを増やしていくには、定番の観光地だけでは難しい。地方が創意工夫して自分たちの魅力を磨けば、3000万人の達成は難しくないだろう。