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消費増税に伴う景気対策などで予算総額が膨らんだ(写真:PIXTA)

参議院選挙も予算膨張に影響

 ついに日本の一般会計予算が100兆円の大台を突破した。

 政府は12月21日に2019年度予算案を閣議決定した。一般会計の総額は101兆4564億円と7年連続で過去最大となり、当初予算として初めて100兆円を超えた。1月末から始まる通常国会で審議され、3月末までに可決成立する見通しだ。

 2018年度当初予算の一般会計総額は97兆7128億円だったので、1年前と比べて3兆7436億円も増加した。2019年10月からの消費増税に向けて、経済対策費として2兆円を積み増したことが大きいが、社会保障費だけでなく、防衛費も過去最大となった。

 当初予算で100兆円の大台を超える意味は大きい。財務省が予算編成する際の心理的なボーダーラインとしてここ10年ほど意識され続けてきた。100兆円を超えたことで、心理的な抵抗線が消え、今後ますます予算の膨張が進むことになりかねない。

 今年の予算編成が大盤振る舞いとなったのは、安倍晋三首相の姿勢が大きい、という。経済財政諮問会議の関係者によると、10月の消費増税によって経済が失速することを何としても避けるという安倍首相の強い意志が働き、経済対策の2兆円を含め、積極的な財政出動を許す予算編成になった。

 基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化目標を、昨年6月に、それまでの2020年度から2025年度に先送りしたこともあり、歳出削減や財政再建といった観点が安倍首相から消えた、という指摘もある。

 景気を腰折れさせないという強い姿勢の背景に、今年7月の参議院議員選挙があることは間違いない。参議院選挙は業界団体などの集票力がモノを言う選挙で、各種予算の増額はそうした業界団体の要望を受け入れたものになった。

 こうしたムードを受けて各省庁も目いっぱいの予算要求を繰り広げた。

 厚生労働省の一般会計予算は32兆351億円と過去最大になった。8月末の概算要求は31兆8956億円だったが、それを上回る着地になった。「働き方改革」や「人づくり革命」と言った安倍内閣が掲げる重点課題に関連付けた予算は、かなりすんなり通ったと関係者は言う。医療関係の予算でも、2018年度の当初予算を軒並み上回る額が確保された。

 防衛費も5兆2574億円と1.3%増え、7年連続で増加し、5年連続の過去最高となった。東アジアの安全保障情勢が引き続き緊迫していることもあり、防衛装備予算の積み増しなどが盛り込まれた。