年金の運用は、安心して任せられるのか?

 2016年は年明けから株価の下落が続いている。1月4日の大発会で日経平均株価が1万9000円を割り込み、5日、6日も下げて、7日には1万8000円を大きく割った。米国の利上げに伴う米国株安に加え、サウジアラビア・イラン間の紛争、北朝鮮の核実験といった地政学的リスクの高まりが日本の株式相場も揺さぶっている。

 そんな中で、日本固有の問題として昨年来、海外投資家が注目してきたのが日本のガバナンス問題だ。ひとつは東芝の粉飾決算への当局などの対応が甘いことから、安倍晋三内閣が声高に叫んでいたコーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化が掛け声倒れではないのか、といった懸念。もうひとつが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のガバナンス体制の見直しだ。

 ポートフォリオを見直して運用の株式シフトを進めたにもかかわらず、「車の両輪」とされていたガバナンス強化が先延ばしされ続けてきた問題である。この2つのガバナンス問題は、海外投資家の日本株市場への信頼を大きく左右する問題だけに、その行方が注目されている。

独任制を転換、経営委員会に

 昨年初から止まっていたGPIFのガバナンス改革問題が、ようやく動き出した。昨年12月25日に厚生労働省の社会保障審議会年金部会が開かれ、GPIFのガバナンス改革の大枠が了承されたのだ。

 厚労省が年金部会に提出した「GPIFガバナンス強化のイメージ」(案)によると、これまで理事長1人が運用責任を負ってきた「独任制」を転換し、合議制の「経営委員会(仮称)」が決定する方式に改める。

 経営委員会は基本ポートフォリオなど資産運用・管理に関する重要事項を決定するほか、財務諸表の作成や執行部の役職員の報酬決定といった組織・経営管理上の重要事項を議論する。また、厚労相が任命する執行部の長らの人事に同意権限を持つほか、執行の監督にも当たる。