ボランチのポジション争いは山口が一歩リードか

 オーストラリア戦までの3試合、ボランチのポジションには不動の長谷部のパートナーとして、大島、山口、柏木が起用されてきた。そして、アウェイとなった今回のオーストラリア戦では、同じくアウェイのタイ戦で起用された山口が再びピッチに立った。

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 上の表は、今回のW杯アジア最終予選にボランチで先発した選手のパスの出し先を整理したものだ。攻撃的選手は、青でハイライトしてある。

 まず気がつくのが、イラク戦での柏木の出し先の上位が守備的選手になっている点だろう。柏木本人も試合後のインタビューで低調なパフォーマンスと振り返っていた。初戦で先発した大島も同様で、本田以外に上位に攻撃的選手が見られない。

 一方、オーストラリア戦でも先発した山口が攻撃的選手にも高い割合でパスを送っていることがわかる。オーストラリア戦では、長谷部からのパスの出し先も高い割合で攻撃的選手に向いているが、奪って早く攻撃に展開する意識がより強く求められるようになったのかもしれない。ボランチからのパス捌きは、次戦の先発メンバーと合わせて注目したいデータだ。

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