失敗の蓄積が勝敗を大きく左右した可能性も

 ミスをしない選手はいないし、ミスにも幾つかの分類がある。わかりやすいのはボールを保持している選手のミスだろう。そして、ミスが全て悪いかというとそうではないが、失点はどこかでミスが絡んでいることが多い。

 上の図表は自陣内でのミスに関するデータを時間帯別で整理したものである。今大会初戦のナイジェリア戦(緑線)と2012年ロンドン五輪の初戦スペイン戦(破線:試合は1-0で日本が勝利)の様子が一見似ているが、よく見ると、ナイジェリア戦と異なり、スペイン戦は立ち上がりの時間帯のミスが少ない。その差が、勝敗を分けた一因だった可能性もある。

 今大会のナイジェリア戦、コロンビア戦は立ち上がりのミスが多かった。そのミスが直接的に失点につながらずとも、その蓄積による疲労や心理的な負担が失点を招く要因になったとも考えられる。一方で、失点ゼロで勝ち切ることができた第3節のスウェーデン戦では、立ち上がりの際の自陣でのミスが、ロンドン五輪のスペイン戦と同様に少なかった。

 もう一つ注目しておきたいデータが、上の表にある日本のエリア別クロス数である。PA外からのクロスが効果的だっただろうかという疑問が残るデータだ。

 世界との対戦を前提にすれば、日本には、単調なサイドからのクロスをゴール前で決めるだけのタレントはいないと言っていい。今大会も、結果としてPA外のクロスからのゴールはなかった。それよりもPA内にスピードアップして進入した後のクロスからの得点は、一つの形として今大会でもゴールという結果を残していた。

 さらにPA外からのクロスは簡単に相手にボールを渡してしまう結果につながりやすく、カウンター攻撃を受けるきっかけともなる。安易にPA外からのクロスを選択するプレーは、一つの判断ミスと捉えてもおかしくないだろう。そうした見えないミスの蓄積が、失点につながっている可能性も大いにある。