
ネイマールを擁する開催国ブラジルがドイツとのPK戦を制し、悲願の初優勝で幕を閉じたリオ五輪男子サッカー。1996年のアトランタ五輪以降6大会連続で出場し、前回のロンドン五輪でベスト4の成績を残しメダルにあと一歩まで近づいた日本の活躍も記憶に新しい。リオ五輪では「メダルを」と期待するメディアの声も少なからずあった。
ただし、五輪サッカーは23歳以下の選手とオーバーエイジ3選手を加えたメンバーで構成されるため過去の大会の経験が直接、ピッチに立つ選手に生かされることがほとんど無い。だから難しい。
今大会、初戦のナイジェリア戦で勝ち点を得られなかったこと、さらには、先制点を許してしまったことが、日本のグループリーグ(GL)敗退の暗示となっていたのかもしれない。実際、GLの初戦で勝ち点を奪えなかった国は全て、GLで敗退。トーナメントを含め全32試合で先制点を許して逆転したのは2試合しかなかった。
本稿では、若い世代(U-23)のサッカー日本代表がリオで残した3試合のデータを見ながらその軌跡を振り返りたい。
「たられば」がないのがサッカーの厳しさ
GL最終節まで、他力ながら決勝トーナメント進出の可能性もあったわけだが、そうはうまくことは運ばなかった。
上の表にGL3試合の基本スタッツを並べてみた。毎試合得点を挙げたものの、最終節の65分まで日本がリードする状況が作れなかったことは、世界の厳しさの表れなのかもしれない。そしてナイジェリア戦では、支配率でも大きな差があり、枠内シュートこそ僅差だったが、シュート数では倍近い差があった。
試合開始まで色々とピッチ外のことで騒がれたナイジェリアにカウンターパンチを喰らってしまった形だ。もしくは、日本の若い世代が世界のピッチに浮き足立っていたのかもしれない。前半開始と前半終了間際、さらには後半最初に得点を奪われたことが、最後まで日本がリズムを掴めず勝ち点ゼロという結果につながった。
「たられば」はないが、先制点を奪われていなければ、前半の終盤に失点していなければ、後半開始後に日本が先に得点していれば、と後悔は尽きないだろう。
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