23歳以下(U-23)アジア選手権で優勝し、リオデジャネイロ五輪出場を勝ち取ったサッカー男子五輪代表チーム(長田洋平/アフロスポーツ)

 リオデジャネイロ五輪のアジア最終予選を兼ねた23歳以下(U-23)アジア選手権で優勝し、6大会連続となる五輪出場を勝ち取ったサッカー男子五輪代表チーム。特に決勝トーナメントに入っての戦いぶりは、テレビを通して応援していた国内サポーターを大いに惹きつける試合展開であった。

 若く経験の少ないチームだけに、大会前は五輪出場枠獲得を不安視する声も多かった。だが、懸念を見事に払拭する結果に、国内では安心以上に歓喜とも言える感情が巻き起こった。本稿でも後ほど触れるが、特定の選手のパフォーマンス云々ではなく、ピッチに立った全員のパフォーマンスデータが優勝という好成績を裏付けていた。

 さらに、決勝戦後のセレモニーではGK牲川が前列中央に誘導されトロフィーを持ち上げる姿が映し出された。今大会で唯一ピッチに立たなかった選手に、最後に最高のポジションを与えたチームの配慮は、今大会の躍進を支えたチーム力を語る上で重要なシーンとなった。

 今回のコラムでは、試合ごとの勝因をデータで語るというよりは、18日間で6試合という非常にタフな戦いを勝ち抜いたプロセスを、データを通じて振り返ってみたい。

試合を支配せずとも勝つサッカーに徹する

 上の表にグループリーグ(3試合)とトーナメント戦の基本スタッツを示した。シュート数、ボール支配率では相手を上回るどころか下回る試合もあり、結果として6連勝はしたが、決して楽な試合内容ではなかった。

 特に準決勝のイラク、決勝の韓国は、過去の対戦からも格上とみられる相手に対し、内容よりもシンプルに結果を突き詰めたのだろう。特に枠内シュート数と得点を見てみると、日本は枠内シュートがほぼ得点につながっているが、対戦国は枠内シュートからの得点率が低い。単に攻撃陣の決定率だけではなく、守備陣の踏ん張りも評価すべき点である。

 また、パス総数を見ても、これまでのフル代表や育成年代でも見られた細かくパスをつなぎゴールに迫るようなチームコンセプトではなかったこともわかる。良い意味で捉えると、劣勢を覆すドラマチックなゴールが続き、大会を通してサポーターの目を画面に引きつける結果となったのだろう。