なぜ北朝鮮は、核開発とミサイル実験を続けるのか。
北朝鮮の指導層と軍幹部は、韓国を統一するためと説明している。軍部は、米国と韓国が攻めてくると、半ば本気で考えている。通常兵器での戦争能力はすでに失われており、米韓軍の攻撃を阻止するには核兵器が必要、との戦略だ。

ミサイルがなければ核兵器は運搬できないから、核を搭載できるミサイル技術を向上させる実験を繰り返している。だが、まだ完成していないようだ。高熱の弾頭を安全に着弾・爆発させないと、核兵器としての意味がない。この技術はまだ完成していないと、米韓の専門家は判断する。
北朝鮮は、2月7日にミサイル発射実験を行った。これについて多くの分析がある。北朝鮮の動向を分析・判断するうえで重要なのは、奇をてらった発言ではない。大切なのは、日本の行く末を誤らせない正確な判断と、真実を語る勇気である。
北朝鮮の核・ミサイル実験については、(1)5月の党大会前の業績作り、(2)米国との交渉カード作り、(3)中国への反発――などの理由が挙げられている。短期的な分析としては間違いではない。そうした事情も事実だ。
だが、国際政治の分析はこちら側の事情や価値観で判断すると間違える。相手の立場に立って、長期的な視野で考える必要がある。平壌で何が起きているのかの情報と、金正恩第一書記周辺の事情を把握しないと判断を間違う。
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