フランスと英国が、2040年までにディーゼル車とガソリン車の販売を禁止する方針を打ち出した。中国やインドは、電気自動車(EV)へのシフトを加速する意向だ。

 独フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車の排ガス不正問題を受けて、欧米の大手自動車メーカーは、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)といった電動車両の開発に軸足を移しつつある。

 EV時代の到来を思わせる動きが活発になる中、「天然ガス車が次の本命である」と主張する人物がいる。伊イベコのピエール・ラウッテ社長とNGVイタリーのマリアローザ・バローニ会長だ。その理由を聞いた。

フランスや英国が2040年までにディーゼル車、ガソリン車の販売を禁止するとの報道を受けて、日本では電気自動車(EV)の時代がすぐに来るような印象をもたれています。

ラウッテ:ディーゼル、ガソリンの後に電気というのは不可能だと思います。その理由はまず十分な台数を供給できないこと。そして電力が供給できないことです。というのもEVのために火力発電を増やしてしまってはCO2の削減にはなりません。さらに、使用済みバッテリーの処理の問題もあります。材料が複雑なためにまだ良い方法は確立されていないはずです。

ピエール・ラウッテ氏
オランダの建機・農機大手CNHの国際部門の事業部長など経て、2012年にイタリアの商用車大手、イベコ(IVECO)に。グローバルバス事業の副社長を担当後、2014年から現職。仏ルーアン・ビジネススクールでマーケティングおよびテクノロジー管理の修士号を取得、米マサチューセッツ大学Isenberg School of ManagementでMBA取得
(写真:中島 正之)

世界の普及台数は2400万台

バローニ:現在、世界で2400万台(2016年)の天然ガス車(NGV)が走行しています。これに対してEVは、統計によって違いがありますが、最大でも200万台ほどです。NGVの方がはるかに普及しています。