他業種巻き込み再編も

 「電気」を主力商品とする東電にとって「省エネ」は、商品の販売量を減らすことにつながる。新会社の幹部は、「生き残るためになりふりかまっていられない」と打ち明ける。こうした戦略は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構と東京電力ホールディングスが3月22日に発表した「新々総合特別事業計画」でも示されていた。

 福島第一原子力発電所事故の賠償や廃炉などの費用は21兆5000億円と従来の見込みの2倍に膨らみ、東電はこのうち約16兆円を負担する予定である。16兆円を30年間にわたって負担していくには、年5000億円の資金が必要になる。

 東電グループの2017年3月期決算は、賠償や廃炉費用に約3000億円を回した上で2276億円の経常黒字だった。今後、廃炉費用を支払っていくには、従来の取り組みだけでは不十分である。廃炉費用などが上振れする可能性もあり、一層の収益拡大が求められる。

 今回の東電の提携は、「家庭向けお役立ちサービス」の提供を巡る顧客獲得競争の号砲といえる。今後、通信、家電、自動車、住宅など、家庭向けにサービスを提供する企業を巻き込んだ、提携や再編劇が始まりそうだ。