「分電盤の先」を狙う

 8月7日にはソニーモバイルコミュニケーションズと「おうちの安心プラン」などを発表した。ソニーモバイルの機器を家庭内に取り付け、ドアの開け閉めやエアコンの稼働状況などのデータを取得し、家庭にいる子供や高齢者らの様子を外出している家族のスマートフォンに通知する。東電の電気を購入していなくても利用できる。早期に数十万件の契約を目指すという。

 両社は2016年8月にIoT(モノのインターネット)の活用で業務提携に向けた基本合意を結び、住宅向け新事業「TEPCOスマートホーム」の検討を進めてきた。今回は協業の第1弾サービスとなる。

 東電EPの川崎敏寛社長は会見で、「電気やガス以外の効用を提供していきたい」と話す。同社が狙うのは、家庭向けサービスの更なる拡充だ。東電はこれまで、電力を家庭に安定的に届けることを事業としてきた。しかし、昨年4月の電力小売りの全面自由化により競争が激しくなっている。IoTで収集したデータを活用して家庭の「分電盤の先」に入り込み、第2、第3のサービスを提供していく考えだ。

省エネで継続的に稼ぐ

 家庭向けの省エネサービスの提供にも乗り出した。8月9日、住宅設備の設計を手掛けるエプコと共同出資で「TEPCOホームテック」を設立し、9月からサービスを開始すると発表した。

 家庭向けに、省エネ診断や省エネ機器への交換提案、工事、アフターサービスまでを実施して、一貫した省エネサービスを提供する。2021年度までに500億円の売り上げを目指している。

 省エネ診断から提案までは無料である。全国にある東電支店の社員が「省エネプランナー」となり、顧客宅を訪問して診断する。個々の家庭の生活状況に合わせたサービスを提供することで、一過性の利益の確保ではなく、継続的に稼ぐことを狙う。

 特徴は、診断通りの結果が得られなかった場合に、差額の全部または一部を同社が負担する「省エネ効果保証」を提供する点だ。これまでも家庭向けに省エネ機器の提案をするケースはあったが、提案止まりだった。今後は、省エネによって得られた効果の一部を月額料金として支払う「住宅版ESCOサービス」の提供も視野に入れる。

新会社「TEPCOホームテック」の省エネサービス。省エネ診断から効果保証までを提供し、継続的なサービス提供を狙う。5年後に500億円の売り上げを見込んでいる