ピンポイントで刺激する

環境先進都市とは、どんな姿をイメージしていますか。

小池:具体的にお話しすると、LED化を進めます。日本エネルギー経済研究所が2011年に発表した資料によると、国内には蛍光灯や白熱灯といった照明器具が16億個あるそうです。既にLEDに替わったものもあるけれど、16億個の照明をLED化すると、13基の原子力発電所が不要になるといいます。現在は、LEDの効率が当時より良くなっていますから、省エネ効果はさらに大きくなっているかもしれません。

 照明は身近なものでありながら、意外に気付いていないCO2の発生源です。そこでどうやってスムーズにLEDに移行できるようにするか。既に購入費の補助制度などがあるけれど、もう少しできることをやっていこうと思います。ロンドンのケン・リビングストン元市長は、白熱電球を持ってきた人に電球形蛍光灯をあげるという施策を実施していました。同じことができるかどうか分かりませんが、いろんな工夫はできると思います。

 とにかくピンポイントで刺激していきたい。私はいつもピンポイント。(ネクタイや上着を着用しない夏季の軽装を提唱した)クールビズもそうでした。CO2の排出削減というと話が大き過ぎて、皆、他人事だと思ってしまいます。けれど、「あなたの企業、あなたのおうちの照明はどうなっていますか」と、現状をチェックしてもらい、それに加えて「LEDにはこんな効果があります」とPRしていく。例えば、電気代がこれだけ安くなりますといったプレゼンテーションをピンポイントですると訴求力がとても強まります。家庭から企業、それも大中小という形で狙いをしっかり定めることできっと効果が出てくるはずです。

 クールビズもそうでしたが、環境対策は意識改革によるところが大きい。環境に悪い活動をしている企業は社会的な制裁を受ける状況になり、IR(投資家向け広報)を展開するとともに立派な環境報告書を作るところも増えています。スチュワードシップ・コード(金融庁がまとめた機関投資家の行動原則)などが導入され、企業の行動は変わってきています。これを中小企業にまで広めていくためにはどうすべきかを考えていきたい。

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